2018年11月8日木曜日

コース締切までにやらなければいけないこと

コース締切まであと1ヶ月。それまでに、文章は下手くそでもいいので、卒論をさいごまで書き上げることが、とにかく最優先です。ゼミと卒論面談では、私もその方向でみなさんをサポートします。

コース締切から学部最終締切までの1ヶ月は「書き直しの期間」です。書き直さずに提出できる卒論はありません。書き直しの時間がなければアウトです。というわけで、これから1ヶ月は「書き上げモード」、それから先のさいごの1ヶ月は「書き直しモード」です。

もちろん、なんでも書けばいいというわけではなく、筋を通したものを書いてもらいます。発表会前のゼミでお渡ししたチェックリストがありましたが、あの各ポイントをクリアすることを要求します。以下に一部改訂したバージョンを再掲します。

いちばん時間を割いて頑張るべきなのは調査データを使って書いていく本論部分です。まだ1章分(第3章のみ)の人が多いし、その1章分についても、データをぜんぶ出し切っていない人もいる。

サボらず、がんばって日々作業をすすめてください。作業をすすめない人は、サポートのしようがありません。


1.全体
  • 全体は4部構成、本論部分は2章以上であること。本論が1章だけのものは認めない。章や節のタイトルは、よく考えてつけられていること。
  • 「本論」にあたる章には、かならず各章の冒頭にリード文を載せること。
  • 本論部分の各章(第3章、第4章など)が、それぞれ卒論全体の目的(問い)を部分的あるいは段階的に明らかにしていき、それを最終章でまとめて議論する、という全体構成ができていること。(末尾の全体構造見取り図も参照)
  • 参考文献リストが末尾につけられていること。

2.部分
  • 研究の目的がしっかり書かれているか。タイトルをほぼ繰り返しただけになっていないか。
  • 先行研究レビューはなされているか。
  • 調査方法と調査の対象は、なぜその方法と対象なのかという理由が書かれているか。
  • 本論にあたる章で、データの図表について、説明文はきちんと書かれているか。☞ 図表の解説を作文する
  • 本論にあたる章で、観察事例について、あるいは事例の語り・対話について、説明文はきちんと書かれているか。☞ 事例の解説を作文する

3.細部
  • 章と節の番号が、正しく付けられているか。(節番号が飛んだりしていないか)
  • それぞれの図表や事例には、①表3-1.表3-2....、図3-1.図3-2....、事例3-1.事例3-2....のような番号が順に振ってあるか。また、②それぞれの図表、事例にはタイトルが付けられているか。
  • 段落、文が中途で尻切れになっている箇所がないか(絶対にダメ)。
  • 意味が他人に通じない文章(つながり)、文がないか。
  • 参考文献リストの書式は揃えられているか、順番はきちんと並べられているか。本文中に引用されている文献はひとつ残らずリストに記載されているか。


卒論(論文)は、重要な問題について、社会学・人類学の視点を使って、実証的に(データを使いながら)人を説得していく文章です。データと論理でできている文章です。

文章ヘタクソでも「書き上げモード」で、とにかく一回さいごまで書くのは、自分で自分の卒論全体の論理構造を把握するために必要なのです。いまは、そのためのタイムリミットぎりぎりです。前回ゼミで配った卒論の全体構造についての見取り図も、再掲します。