2014年12月2日火曜日

近代化を理解するための新書11冊

社会学に限定せず、近代化を理解するために使えるもの。*印は、参考文献リストがあってその先の勉強にもつながります。

  • J・ストレイヤー(鷲見誠一訳)『近代国家の起源』岩波新書 青919、1975年
  • 福田歓一『近代民主主義とその展望』岩波新書 黄1、1977年
  • 大塚久雄『社会科学における人間』岩波新書 黄11、1977年
  • 山住正己『日本教育小史―近・現代』岩波新書 黄363、1987年
  • 臼井隆一郎『コーヒーが廻り世界史が廻る —近代市民社会の黒い血液』中公新書 1095、1992年 *
  • 藤森照信『日本の近代建築(上・下)』岩波新書308, 309、1993年 
  • 佐藤俊樹『不平等社会日本―さよなら総中流』中公新書1537、2000年 *
  • 小熊英二・姜尚中『在日一世の記憶』集英社新書 0464、2008年
  • 川北稔『イギリス近代史講義』講談社現代新書 2070、2010年  *
  • 瀧井一博『明治国家をつくった人びと』講談社現代新書 2212、2013年 
  • 細見和之『フランクフルト学派―ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』中公新書 2288、2014年 *

とくに順位はありません。古いものから新しいものという順番です。

2014年12月1日月曜日

卒論への道_2015(その4)

1.今後のスケジュール

  • まとまった調査時間は冬休み、春休みにしか取れない。夏休みは就職活動。来年の冬休みは卒業論文締め切り。フィールドワークは本格的にはじめる(調査の方向が分かる)までに時間がかかる。→ 冬休みには手を付けること。
  • 無理をせず、自分に向いた調査をしていくこと。好き嫌いより得手不得手。でもそれは、やってみるまで分からない。自分にもできる調査方法を考える。その調査方法で可能な研究をするように工夫。→ 絶対に試行錯誤の時間は必要。
  • 冬休みにうまくいかないことが分かったら、調査テーマや調査方法など切り替える余裕ができる。うまくいけば、就職活動に使う時間に余裕ができる。

2.調査をはじめる
2-1. 最初の1歩

  • ①現場をみてきて(フィールドワーク)、その報告。②自分の関心を本で勉強して、自分のものに組み立て直して報告。どちらかがなければ、卒論は絶対に転がりださない。
  • つねに自分の興味のコトバ化と、自分にでも可能な調査のやり方を考える。前者は人にしゃべったり、書いたものを人に見せることでしかできない。しゃべる(output)だけではすぐに行き詰まるので、関連文献を読んでネタを仕入れる(input)。後者は現場に足を運んで考えるしかない。いきなり現場で「調査」なんかできないから様子見の時間が必要。取りかかりは早く。
  • 文献を読むことは苦手でも避けられない。問題設定のしかたや調査方法、事例の解釈などポイントを絞って読んでいく。先輩の卒論は複数読んでおく(ある意味受験における過去問のようなもの)。

2-2. フィールドワークについて

  • インタビューがなくても、ノート(観察内容、自分が気づいたことのメモ)を必ず取る。帰ってそれを見返す。自分のメモの内容から、自分の関心の方向を客観的に知る。
  • 自分の関心が「対象」ではなく「主題」的に分かってくれば、文献もさがしやすい(表1)。
  • 「主題」的に分かってくれば、次にどんな調査をしていけばいいかがわかってくる。調査が難しそうだったら方針を変えていく(表2)。

2-3. 2歩目以降(ここからは助ける)

  • 1歩目の報告はA4紙1-2枚にまとめて報告してください。その後のことについてアドバイスします。調査をうまく運ぶためには調査プロセスのふりかえりが必要。
  • 関心ある主題をもとにした調査の方針立て(問題点抽出)、文献さがし。

3. 2015年度のゼミ

  • 卒業研究2歩目以降の報告(4年生)、文献勉強発表(3年生)の2本立てで一緒に
  • 先輩の卒論目次の例をみて、必要な作業を理解する(4年生)
  • 調査データ報告と卒論目次バージョンアップ(4年生)
  • 各自の重要文献紹介(4年生)
  • テキスト、文献発表(3年生)


表1 関心の対象から主題的な関心へ(例)

関心の対象 関心ある主題
A カフェの空間 家族にとって安心な空間と若者にとって居心地のよい空間(それぞれがなにを重視するか)
B 地域スポーツクラブ 余暇時間の一部をともに過ごす同地域の社会人どうしの付き合い方(クラブ内の人間関係でなにが注意されているか)、話題になる「地域」と「家庭(夫婦・親子)」イメージ
C ゆるキャラ 二分化するなかの観光客向け/地元向けと地域イメージ形成
D ロックのライブイベント 周辺参加者による中心の構成、ひとつのイベントについて周り(スタッフ、オーディエンス)から中心(イベント、出演者)がつくられていくプロセス
E 地方駅前の大衆演劇館 (「伝統的」でない)芸能と地域社会との関わり
F 青森県(地方大学)での方言 地方大学学生のあいだで優勢な方言がどのようにその位置を得るか(「方言主流社会の方言と標準語」再考)


表2 主題的関心から調査方法を検討(例)

関心ある主題 調査法
A 家族にとって安心な空間と若者にとって居心地のよい空間(それぞれがなにを重視するか) ・顧客層から家族型空間、若者型空間、融合型空間のように分けて場所の観察調査
・各店内の客の滞在時間、滞在の様子などの観察調査
B 余暇時間の一部をともに過ごす同地域の社会人どうしの付き合い方(クラブ内の人間関係でなにが注意されているか)、話題になる「地域」と「家庭(夫婦・親子)」イメージ ・スポーツクラブへの参加、メンバーの把握、メンバーどうしのつきあいの濃淡などのかんじを観察でつかむ
・年間を通した活動実態
・メンバーどうしの会話の観察
・メンバーのプロフィール(いわゆるフェイス把握)
C 二分化するなかの観光客向け/地元向けと地域イメージ形成 ・着ぐるみの中に入ってキャラ目線でイベントをみる
・役所の観光課、広報課
・キャラの露出(プレゼンス)観察(どんな印刷物、どんなところでどんな人の目に触れているか)
D 周辺参加者による中心の構成、ひとつのイベントについて周り(スタッフ、オーディエンス)から中心(イベント、出演者)がつくられていくプロセス ・webサイト上にライブのHPがあればそこに寄せられるスタッフやファンのことばをすべて収集・分類
・ライブの現場での観察
・オーディエンスどうしの会話やファンサイトでのやりとり
・会場グッズ種類、値段など
・オーディエンスやスタッフがどのように出演者と直接・間接に接するか、どのようなスタッフがいるか
E (「伝統的」でない)芸能と地域社会との関わり ・上演プログラムと内容、各劇団プロフィール
・観客層の把握、各劇団と駅前小屋との年間予定など
・鵜飼正樹先生の先行文献
F 地方大学学生のあいだで優勢な方言がどのように位置を得るか(「方言主流社会の方言と標準語」再考) ・佐藤和之先生の先行文献
・自分の身の回りの観察、これまでに思い当たる場面(記憶)の列挙
・大学内の場の種類(ゼミや講義、学食、サークルetc.)
・じっさいの会話の録音データの収集