2017年度前期の農村社会史は、半分は日本の東北地方の、もう半分はどこか外国の農村のおはなしを題材に勉強していきます。参考図書は以下の2点です。ほかのものはその都度、紹介あるいは配布します。
農村は、ひとつのちいさな社会です。〈社会〉を考えるには、とてもよい題材です。まず、農村社会のなかでは、どのような社会関係が成り立っているのか。また、農村のなかではどのような農業が営まれているのか。農業と人づきあい(社会関係)にはどのような関連があるのか。そこを考えていくことで〈社会〉を理解していくことができます。
また、どんな社会もその〈外部〉との影響関係のもとに成り立っています。つまり、農村社会もそこに生きる人びとも、経済や政治、政策の影響のもとにあります。一般的に、前近代---近代化の始まる前までは、こうした外部との関係がきわめて少なく、近代化の過程で影響関係が大きくなっていく。ここで重要になってくるのがmobility、つまり移動性です。移動性が高まると、人・モノ・情報の移動が起こりますが、農村-都市間の関係で言えば、前期近代では、一般的には人は農村部から都市部に(向都離村)、モノと情報は都市部から農村部に移動します。
このように、小さな社会とその近代化について考えていくことが、農村社会史のベースにある大テーマなのです。詳細は、第2回以降の講義で明らかになるでしょう。
実際の講義内容はシラバスからかなり変更するところがあると思いますが、進行はシラバスのとおり、1回文献講読をしてその次の1回は議論、この2回1セットの繰り返しです。
- 日本村落社会研究会/年報農村社会研究 26巻『日本農村の「20世紀システム」:生産力主義を超えて』、農山漁村文化協会、2000年
- ジェームズ・スコット(佐藤仁ほか訳)『ゾミア:脱国家の社会史』、みすず書房、2013年
農村は、ひとつのちいさな社会です。〈社会〉を考えるには、とてもよい題材です。まず、農村社会のなかでは、どのような社会関係が成り立っているのか。また、農村のなかではどのような農業が営まれているのか。農業と人づきあい(社会関係)にはどのような関連があるのか。そこを考えていくことで〈社会〉を理解していくことができます。
また、どんな社会もその〈外部〉との影響関係のもとに成り立っています。つまり、農村社会もそこに生きる人びとも、経済や政治、政策の影響のもとにあります。一般的に、前近代---近代化の始まる前までは、こうした外部との関係がきわめて少なく、近代化の過程で影響関係が大きくなっていく。ここで重要になってくるのがmobility、つまり移動性です。移動性が高まると、人・モノ・情報の移動が起こりますが、農村-都市間の関係で言えば、前期近代では、一般的には人は農村部から都市部に(向都離村)、モノと情報は都市部から農村部に移動します。
このように、小さな社会とその近代化について考えていくことが、農村社会史のベースにある大テーマなのです。詳細は、第2回以降の講義で明らかになるでしょう。
実際の講義内容はシラバスからかなり変更するところがあると思いますが、進行はシラバスのとおり、1回文献講読をしてその次の1回は議論、この2回1セットの繰り返しです。