昨日の社会調査実習の時間に、個人報告書の作成過程で気がついた今年度の実習調査の反省点、来年度実習や卒論調査に生かせる点などを言ってもらいました。あがったのは2点(2人)だけでしたが、どちらも重要だったので以下に覚え書きします。
1)フィールドでの記録(メモ→ノーツ)
- 実習時間前などに、調査時に書き付けた調査メモを見返すと、「データ」としては中途半端な記載しかないので悔やまれたことが何度もある。
→ もっともな難点。観察についてはその場でできるだけ克明に、余分だと思われるものでもどんどんメモする(人にみせるための記録じゃないし)。観察内容は、あとになって思い出せないものごとが多い。現場での聞き取りメモについては、人のしゃべりをすべてあまさず記していくのは絶対無理。だけど内容はけっこう頭の中で憶えていて再生できる。
→ だから現実的には、①その場で的確なメモをとること、②時間をおかずメモを補足すること(その日の夜とか)、の2つが重要。インタビューは録音記録を取っている場合も、かならずメモはつくる。相手のしゃべったことは克明に録音されるが、メモは自分が相手の話のどこが気になっているかの記録でもあり、のちのノーツ作りのときにメモはその効力を発揮する。
- 写真も、撮るのを忘れていたものがあって、撮っておけばよかったと後悔。
→ 実習調査の場合、グループワークだから写真係が撮る。撮ってほしいものは指示すればいい。役割分担したら遠慮しない。これ、就職してからもグループワークの鉄則。あるいは、係にまかせず自分でもスマホでどんどん撮る癖をつける。これは個人プレイの卒論調査では必須。
2)データをレポートに(データの行き先)
- インタビューをおこなった内容で、個人報告書には盛り込めなかったものがたくさんある。①興味深い内容だったのでとても惜しいが報告書の流れの中にどう組み入れていいのかわからなかった、②報告書はインタビュー先の方々にも配るので申し訳ない。
→ もっともな難点。フィールド調査にもとづくたいていの報告書や論文は、調べて得たデータの3割未満しか完成稿に反映されていない。だが、自分の興味深いとかんじたデータはできるだけ、どこになぜ興味があるのか、興味深い点と全体の流れ・論旨とのあいだにどのような位置関係があるのかを熟考し、場合によっては1章分増やすくらいのつもりで試行錯誤する(今回は時間不足か)。
→ 複数年にまたがるテーマの調査実習なら、今回の個人報告書で生かせなかったデータも、全体報告書や来年度の調査に生かせる可能性はあるので、データを引き継ぐようにする。ただし卒論は個人プレイなので、あくまでがんばって卒論に組み入れる。ひとりだと煮詰まるので同級生や教員(私)に相談する。