卒論の参考文献として、関連論文を探したいときに、以下のwebサイトが便利です。
『社会学評論』『ソシオロジ』という、日本の社会学を代表する学術誌2誌のバックナンバーに掲載された論文のPDFファイルが、検索でき、ダウンロードできます。
もちろん、みなさんごぞんじ
Cinii(国立情報学研究所の論文検索サイト)は、社会学関連のほかの雑誌、それから他分野の雑誌に掲載された論文もすべて検索できます。みなさんが書くのは社会学の論文なので、まずは『社会学評論』『ソシオロジ』2誌の論文を検索してから、満足な結果が得られなかった場合にCIniiで検索、という順序でやれば効率がいいでしょう。
上記サイトが便利なのは
(ⅰ)上記2誌掲載のすべての論文が検索でき、downloadできる。Ciniiはタイトルだけでdownloadできないものも多い
(ⅱ)検索してヒットしたものが複数となる場合も多く、それらの「要旨」をみていけば、そのなかから関連しそうな論文を探せる
(ⅲ)検索語で「書評記事」がひっかかったら、世の中にある関連本(社会学)の概要を(1-2ページ程度で)知ることができる
という点です。
(ⅰ)(ⅲ)のメリットは、分かりやすいと思います。
(ⅱ)のメリットは、分かりにくいかもしれません。説明します。
以下の文章を読んでみてください。図書館での参考文献(本)の見つけ出し方を説明した文章ですが、じつはこれとポイントは同じなのです。
図書館の
OPACで卒論の参考文献をみつけようとするとき、直接自分の調査トピックや対象を検索語として入力しても1件もヒットしない、という経験はあるでしょう。逆に50件以上ヒットしてしまって困る、ということもあるかもしれません。そんなとき、どうすればいいか。
正攻法は、そのトピックの一歩奥にどんなテーマがあるか考えてみることです(e.g.「大学生の趣味」ではなく「若者」「消費」「余暇」などでも検索)。この一歩奥のテーマを探す方法は、ひたすら考える(ひとりブレインストーミング&KJ)ということでもいいですが、ほかにもあります。手持ちの『社会学』のテキストでそのトピックを探してみて、どんなテーマの章で扱われているかを調べる。あるいは社会調査実習室の『新社会学事典』でそのトピックが載っている項目を読み、関連するテーマとおぼしき単語で検索をする、などです。
そうして見つけ出した検索語で再検索。1-2冊しかヒットしない検索語はハズレだろうと思いましょう。50冊以上ヒットした場合はまた上記のやり方などで絞り込みます。10冊~30冊くらいなら、OPACから離れて図書館の本棚に行くこと。なぜかといえば、きちんとジャンル分けされた図書館の本棚で探すということは、その本の周りにある関連しそうな本にも出会いやすい、ということだからです。
上記の社会学の雑誌2誌の検索の話に戻りましょう。ヒットした複数の論文のタイトルには、直接検索語が入っていなくても、その論文の本文中のどこかに検索語があればヒットします。ということは、その論文の内容は関連していることが考えられます。参考文献候補ですから、内容をチェックしましょう。
作業が膨大になる、と心配する必要はありません(多少の労力は、能力を手に入れる代償だと思ってがんばるしかない)。
慣れないうちはタイトルに検索語がないと中身をみないとまったくわからない、という状態です。が、慣れてくると「そのひとつ奥にあるテーマ」的なものがニュアンス的に分かってくるので、検索語はタイトルに入っていないにもかかわらず、タイトルをみただけで「これ、けっこう関連かも」と分かるようになります。
それまでは、ヒットしたもの全部の内容をチェックしてみましょう。なにも全ページ読むことはありません。論文は、最初の半ページほどに短い「要旨(要約)」が載っています。そこを読んで、全文読むかどうかを判断すればいいだけのことです。
全文読んでいく場合も、なんとなく読むのではなく(時間のムダ!)、この2回のゼミで練習した「論文の構成を意識した」「書き手目線に立った」読み方で機械的に読んでいくことが効率的です。
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【追記】
「要旨(要約)」の件ですが、上に書いたように、論文冒頭に半ページほどの全体の要旨(要約)文が載っているのは『社会学評論』のほうで、『ソシオロジ』は論文の本文と参考文献リストのあと、最終ページに英文の要旨が載っています。英文はちょっとハードルが高いかもしれませんが『ソシオロジ』は現在upされているバックナンバーの数自体が少ないので、ヒットする論文数も少ない。がんばって全文チェック。